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【インタビュー|vol.10】奥村将成さん


奥村将成(俳優)

「夢の谷解放戦線」(再演)に客演として参加。その 後、メンバーになる。「僕のお父さんはヒーローの 敵」まで参加したのち、退団。その後、私生活でい ろいろあり「それなりに奇跡」の公演の時にふらっ と遊びに来て、「さみしいなら戻って来ればいい」 と代表に言われ、何となく戻ってきて今に至る。

 

——俳優をはじめたきっかけは?

 高校演劇ですね。

 三年間高校で演劇をやって、大学に入って一、二年くらい離れて、またお芝居をやり始めたって感じです。(芝居から離れていた頃は)遊び呆けていました。

 高校の時の演劇部が本当にハードだったんですよ。運動部も文化部も全部含めた部活動対抗駅伝があるんですけど、演劇部はまあまあ上位でした。それくらいしぼられていました。

——稽古で筋トレするのが納得いかない高校時代

 僕、(演劇の)稽古で走るとか筋トレするとかが納得いかなくて。

 僕はお芝居をやる上で、どれだけ自然体でそこにいられるかをすごく意識するんですよ。大きい声を出しても、それすらもナチュラルに見えるべきだと僕は思うんです。すごく体格や運動神経のいい奴が、なんでもない役をやるって不自然じゃないですか。だから、「この筋トレはどういう人達を生み出したいんですか?」って高校の頃からずっと思っていて。たとえばグラディエーターの役だとそれを目指すべきだと思うんですけど、日常の会話劇をやる上で筋肉とかいらんでしょって。僕らはすごく走らされたし筋トレさせられたし、僕も腹筋バキバキでしたし……だけど、結局やる役は鉄道研究部の冴えない奴みたいな。「この筋肉いるのかい?」って高校時代は思ってました。本当に楽しかったですけどね。

——(芝居から)一度離れて戻ってきたのはなぜですか?

 「大学生活ってこんなもんか」って思ったんですよ。それで「じゃあ、お芝居またやろうかな」と思ったのが正直なところです。飽きたんだと思うんです。もう遊んだぞと。(高校時代の演劇部が)辛かったけど楽しかったなといった状態が残っていたんですね。

——「試験管ベビー」に所属するきっかけは?

 「KIMYO」の岡田保と高校が一緒で、二人で劇団を立ち上げようという話になったんです。台本を書いてメンバーを集めて、さあやろうって時に、僕がバイト先で宮谷(達也)と出会って。宮谷が「KIMYO」をやっているということで、一緒にやろうという話になり合流しました。僕が初めて「KIMYO」として舞台に上がったのは『デモーニッシュ』です。「KIMYO」所属だった頃に僕を見た(「試験管ベビー」の)かこさんに呼ばれて『夢の谷解放戦線』に出ました。  「試験管ベビー」に所属したのは、そこが大きい団体だと知っていて、僕も役者としてもっと高みを目指したいと思ったから。それからずっと「試験管」でお世話になりっぱなしです。

——芝居で気をつけていることはありますか?

 カッコつけないことですね。見得を切るとかは排除しようとしています。「(観劇後の)アンケートに名前を書かれたい欲」はゼロです。目立たなくてもいい。脚本上スポットが当たっている役であれば、役割として取りにいかなければならないんだけど、僕だけを見て評価してくださいというスタンスでは絶対にやらないようにしています。作品の本質を観てもらいたいといった感じです。

【(カッコつけるということは)脚本とか演出に必要ないでしょって思ってるんです。本当にお芝居が好きで、その作品が好きなんですよね。いいバランス感覚がある作品が一番好きなので。  たとえば、役者の色気で(作品の)リズムが壊れるっていうのが嫌なんです。役者が出すぎることによって(もともとあった)脚本や演出の本質からずれていくのが嫌なんですよ。作品の集大成として(役者が)出すぎてなければよくて、ものを作っていく過程での意見交換とかはすればいいと思います。お客さんに見せる時に役者が出すぎるのが好きじゃないんです。】

——芝居をやる上で大切にしていることは?

 「試験管ベビー」で僕が気に入っているスタンスは「お客さんのためにやりましょう」なんです。

 「(千秋)楽だけすごくよかったね」みたいなことあるじゃないですか。でも、お客さんにとっては観たステージがすべてです。だから、すべて同クオリティーでなくてはおかしい。良い言い方ではないかもしれないですけど、お客さんに(同じものを)届けるためにはある程度作業っぽくなってくる。感情を極力排除して安定したものを届けられる状態を作ってこそプロだなというのは、多分「試験管ベビー」の全員が共通して持ってます。

 プロの劇団や著名な役者さんだと、(クオリティーの)ぐらつきってないと思うんですよ。僕らもそれを極力目指そうと思っています。

——俳優としての夢や目標はありますか?

 「試験管」をものすごく大きくしたいですね。(劇団の)みんなで決めていくことだとは思うのですが、大きくしていきたいなという想いがあります。もっとたくさんのお客さんに観てもらって、面白いといっていただけると嬉しいです。

——これからも頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。

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