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【インタビュー|vol.5】田内康介さん


田内康介(オイスターズ・俳優)

昭和58年豊橋生まれ。 ちょっと前まで会館さん。 2008年よりオイスターズ所属。以降、ほぼ全本公演に出演。

 

ー初めて演劇をしたのはいつですか?

 初めての出演は俳優館で、『大正三文オペラ』っていう、ブレヒトの三文オペラを大正時代の大須に置き換えた作品です。きっかけはその頃日本ナレーション演技研究所に通っていて、先生に芝居や映画は観に行ったほうがいいって言われていました。それで芝居を観に行くようになって、折込みチラシで俳優館の一般公募をみて応募しました。

ー初めての舞台で印象に残っていることはありますか?

 盗賊団の一番下っ端の役だったんですけど、僕のせいで稽古が止まってしまったことがあって、稽古終わって帰ろうとしたら演出に止められて「このままじゃ帰れないぞ」みたいな事言われて。で、夜中まで稽古でした(笑)そんなこともあって、楽しかったというよりは辛かったですね。その次に出演したのが、平塚さんが脚本演出をした『夢追ゐ』という劇団員の青井が主宰のユニット公演でした。その時勤めていた会社の同僚が俳優館も観に来てくれて、その人のお姉さんが青井だったんです。それで誘われて。

ーそんなきっかけで(笑)そこで初めて平塚さんと?

 そうですね。その前にオイスターズを一回見たことがあって。愛知県芸術劇場での公演で、アフタートークでものすごいダメだしをされてて、それも含めて面白いなって印象に残ってて。オイスターズに入るきっかけは、その『夢追ゐ』の稽古やってる最中に「カラフル3」にオイスターズが参加する予定があって、それに誘われて出演した流れで。カラフル出る時にはもうオイスターズ所属だったのかな?そこもフワッとしていて。結構ゆきずりで続けてます。

ー普段はどんな時に台本を読んでいますか?

僕は結構ずっと読んでますよ。家でも喫茶店でも、台詞がまず入ってないからというのもあるんですけど(笑)ただ、自分の台詞の言い方と相手の言い方をすり合わせたりは、やってきてないですね。そもそもあんまりやり取りをする役をやってきてない気もする。

ーオイスターズの作品は不条理で不思議なやりとりのものが多いですよね。

なんというか、稽古場に来て、何していいかわからない。やってみないとわかんないんですけど、やっても何をどう調節したらいいのかわからない。ずっと自分ひとりでやってるような状況で。オイスターズ以外の作品に出演しても、どうしたらいいのかわからない、といつも思ってます。

ー舞台に立つときに不安ではないですか?

でも何かを待っているとか、状況がわかってれば大丈夫な気がします。ト書きがあればというか。計画を立てることができないんですよね。90分の芝居の中での自分の演技プランというか。だから最初から最後まで状態が変わらない…。起こった事件に対するリアクションがわからなくて。なのでなんとなくやってみて、演出から言われたら直す、の繰り返し。「もっとこう!」って言われることはすごく多いと思います。

ーなぜ演劇を続けているんでしょう?

 それは、ここ数年考えています。オイスターズに入ってもうだいぶ経つんですけど、今まであんまり考えてこなくって。だから、今まさに考えてます。今の宿題みたいな感じです。

ーもっとうまくなりたい!って思うことはありますか?

 お芝居をうまくというよりは、自分の出ているこのシーンをなんとかしたいなとはよく思いますよ。自分が役者としてこうなろう!みたいなものはあんまりないです。中尾とか平塚みたいにやってみたいとも思いますけど、無理、というか…。棒立ちの方がいいとか表面的なことは真似できますけど、そこを真似しても近づかないんだなということはわかってきました。

ー後輩に対して教えたいと思うことは?

 これまでお芝居を続けてきたので、見ていて多少こうなんじゃないかな?と思うことはありますけど、果たしてそれが正しいのかもわからないので、全然言わないですね。必要なことは演出が言いますし。

ー逆に後輩から「こうしてください」って言われたら?

 言われたら、「うん」って。

ーやるんですね(笑)

 そうやって言われる理由もよくわからないので、じゃあやりやすいように、ってやります。結局ずっと一人で勝手にやってるんだと思います。二人芝居でも相手がこうくるからこうしよう、ということがわからないから、基本的に相手役に何を言われてもやることは変わらないんで(笑)そこが最近困ったところでもあるんですけどね…。

ー今後の活動予定は?

 4月20日から25日まで七ツ寺共同スタジオにて深津演劇祭~深津篤史コレクション舞台編~として『うちやまつり』という深津さんの戯曲をオイスターズとして平塚さんの演出で上演します。

ー平塚さんといえば、岸田戯曲賞へのノミネートのニュースもありましたし、ますますオイスターズ、そして田内さんの活躍も楽しみですね!本日はありがとうございました!

深津演劇祭 〜深津篤史コレクション舞台編〜

『うちやまつり』

2017年4月20日(木)〜25日(火)

七ツ寺共同スタジオにて

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インタビュー:林優(劇団わに社)/スチール撮影:真都山みどり(エムエム研究室)/動画撮影:山内崇裕/撮影協力:ナンジャーレ・天象館


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