top of page

【インタビュー|vol.3】中村猿人さん


中村猿人(俳優)

劇想からまわりえっちゃん所属。名古屋出身。東京を活動拠点にしながら、名古屋での舞台出演も続けている。2016年《劇想からまわりえっちゃん》が東京に拠点を移すことをきっかけに上京、劇団員となる。上京してからの主な客演舞台は、《劇団鹿殺し》《刈馬演劇設計社》《room16》。元妄烈キネマレコード主宰(旧名:中村繁之)。

【インタビュアー:林優(劇団わに社)】

劇想からまわりえっちゃんWEBコンテンツ

 

初めのインパクトにまだ敵わない

❘演劇を始めたきっかけは?

 きっかけがすごいダサいんですけど、僕はアニメがすごく大好きで、声優さんになるぞ!って思ってたんです。それで、じゃあ声優さんってどうやったらなれるんだろうって調べてて、あそっか、演劇やってれば声優さんになれるんだ!って思って(笑)

 そこに、実は僕が今所属している劇想からまわりえっちゃんの主宰である青沼リョウスケさんがいらっしゃったんです。「すいません、失礼します!」って(部室の扉を)ガラッってあけたら、こう、暴れまわってカオス空間になってたんですよ。その瞬間に僕の夢は消えましたね。青沼さんを筆頭にバケモノたちが右往左往暴れまくるという感じで廊下に「俺たちは演劇部だオルァァ!」って叫びながら出ていったり、学校の近くの土手に演劇部員がズラッと並んで、全力でコマネチしながら「皆さんみてください!僕たちは演劇部です!」って叫ぶみたいな。

❘危ない集団ですね(笑)

 はい(笑)でも、そこが僕の原点なんですよ。「こんな荒くれ者たちがやってるのが演劇なんだ」って思ってたんですよね。僕はそれまでアニメが好きなか弱い男の子だったので、一年間くらいずっと誰とも喋れなくて、縮こまってたんです。先輩たちが土手でコマネチやったりとか、いろんなことしているのを見て、やらないと…!でも、自分は何もできない、みたいな。何しゃべったらいいのかわからないし、先輩たちこわいし(笑)僕には根本的に「できない」っていうコンプレックスがあるんです。けっこう「できない」という「劣等感」が、今も続けてる原動力なのかなぁと思います。「敵わないから」続けてます。高校の時に部室に初めて入った時の「うわ、すげぇ…!」っていう感じに、まだ僕はなれてないなって。

自分の人生経験を武器にする

❘普段から気を付けていることは?

 僕自身が演技論とかを持ってるわけではないし、勉強してきたわけでもないし、何か特化してうまいわけでもないから、自分の武器は「人間力」かなと思っています。しゃべってたりとか、背負っているものしか僕の表現者としての価値はないんだろうなって思っているから、なるべくいろんな人生経験を積むために行動することにしています。新体験をしていくという感じです。思ったことを全部行動に移して、それでショックを受けたこととかを蓄積していくようにしています。それが舞台上に出るんだろうな、と思っています。人生経験を積んだ自分を見てもらう、その場にいる、と思ってもらえるように心がけています。どんな役をやっても、あくまでも「僕」だから、役作りするときも自分の中の人生経験を肥大化させて持っていくという感じです。今までの人生を歩んできた自分だったらその時どうするかにしかフォーカスを当てられないから、それをお客様の前で見せる、という感じです。

お金じゃなくて時間

❘今までの俳優活動のターニングポイントは?

 今年の1月に出演させていただいた劇団鹿殺しさんの公演の時に感じたことなのですが、ある制作の女の子に「月の収入の半分以上をアルバイトで稼いでる人は俳優じゃなくてフリーターだよ。」って言われたんです。東京って、月の収入の半分以上は芸能ごとで得てるっていう人がとても多いんですよね。でもそれが嫌だなって思って。僕は自分でしか勝負できないし、媚を売れないので、営業とかできないし僕はその道には行けない!と思って。僕は今まで生きてきた自分を抑えて営業して売れたいわけじゃないし、そうなりたくて芝居をしてるんじゃないって思っているんです。だから、僕はお金じゃなくて時間を作ろうって思っています。1日のうちにアルバイトで働いている時間よりも芝居のことを考えている時間を増やそうと思って。お金を稼ぐために一生懸命バイトしていると、例えば今みたいに名古屋で呼ばれたときにバイト辞められなくていけないってことになったりするじゃないですか。そうじゃなくて、いつでも捨てられるバイトをして、どこにでもすぐに行ける状態にしておくように心がけてます。

❘今後の活動予定は?

 2月に劇想からまわりえっちゃんの新作が東京の王子小劇場で上演されます。これ以上ない個性が詰まった集団ですので、見たことないものを観たかったらぜひ、からまわりえっちゃんを観に来ていただきたいです!すごいものが観れることは間違いないです。名古屋からは遠いですがぜひ遊びに来てください!

❘それはとても楽しみです!熱いお話をたくさんお聞かせいただきありがとうございました!


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page