【インタビュー｜vol.2】元山未奈美さん

元山未奈美(俳優)

演劇組織KIMYO所属。小劇場を駆け回る自由きままなアクティブ女優。2011年愛知県文化振興事業団プロデュース「金色カノジョに桃の虫」出演をきっかけにフリーで活躍。以後数多くの劇団で客演を経験。2014年演劇組織KIMYOに入団する。劇団ひまわり出身。

−−いろんな舞台に出てらっしゃいますが、どの作品を観てもすごくお芝居が丁寧に感じます。

「この一年は毎月舞台に出ていて、去年の11月からずっと１ヶ月に１本、2本のときもあって2016年には12本の作品に出させていただいていて。基本的には、現場入ってから徐々に作っていく形で。それまでは今の舞台に集中して、やってすぐ次の日とかに次の舞台の稽古に行ったり。」

−−それが１年間とめどなく？台本覚えるのは早いですか？

「遅いんです。ずっと歩きながら、自転車乗りながらセリフをブツブツ言って覚えます。すれ違った人とかは怖いと思う。だから基本はマスクしたり（耳に）電話あててかけてるふりをしたり（笑）でもそうやって口に出さないと私は覚えられない…自然に口から出てくるようになるまでずっとやって覚える感じですかね。」

−−以前共演したときに、自主練でもずーっとセリフつぶやいているという印象はありました。

「私基本、練習しないとできない人なので、すごい練習しますね。好きなんだと思う、練習が。人前に出るのが得意ではないので、未だに舞台出るときにはすごく緊張します。だから緊張しても言えるくらい準備をむちゃくちゃしておかないと不安で、だから練習する。」

−−普段の生活だったら何してる時が楽しい？

「ポケモンGOかな（笑）あれも捕まえてれば毎日増えてどんどん進化させられるでしょ？そういう、成長していく感じ、自分がちょっとずつ成長してる感じがすごい楽しくて。お芝居は、確実にそれでだと思うんですけど。毎日ちゃんとやることがあって、毎日進化がどんどんある感じが楽しい。あと私はいろんなところに客演させてもらっているので、同じ演劇でも作品の種類が全然違う、演出の大切にしていることも伝え方も、現場現場でそれがすごい違うから、１年間で１２本やっていたとしても、全部新鮮な気持ちで。結構飽き性だから、そこがあるからお芝居は長く続けていられるのかなって。」

自分自身をコントロールできるように。

——芝居を作っていく際、必ずしようとしていることは？

「私は、すごく客観的に自分を見ることを大切にしていて。今自分がどういう風に見えているのかとか。自分でこういう風にしたいってイメージはだいたいあったりするから…自意識過剰なのかもしれないけど、人に見られることに多分あまり慣れないから、そういうのを気にしているのかもしれないですね。」

——だから意識的に他の人から見えてる自分を想像する？

「自分が今どういう状態で見えているのかがわからないと、演出家さんに「もっとこうして」とか言われたときにどう変えていいのかがわからないから、私は今自分がこういう状態になってるから、今のはOKで、こういうルートを辿ったらこれは違うんだなとか、そういう部分を自分でわかる範囲にしておきたいなというのが。自分自身はコントロールできるようにしたいというのは、すごいあります。」

役ごとに全然違うねと言われたい。

——お芝居やっている中でも、一番大切にしていることはありますか？

「私は基本的に演出家さんの言っていることを再現したいなと割と思う人で。それで私自身がちゃんと変わっていきたいなって思っていて。役ごとに全然違うねって言われたくて。全く別人のような感じで観てもらいたいです。それくらいちゃんとその役としてできていたらいいなぁ。って思う一方、「どの役やってもあの人はあの人だよね」っていう個性の強い人に憧れたりもする。私はお芝居始めたときに「自分ってあんまり個性的な人じゃないんだな」っていうことに周りの人を見ていて気づいて。インパクトが何かあるわけでもないし、とても普通。と感じて。でもお芝居に普通な人って絶対必要じゃないですか。だからどんなことを言われてもパッとやれるようなアクターになりたいな、と、それを武器にしよう、と。例えばちょっとここは踊ってくださいとか、歌ってくださいって言われたときにパッとやれるような準備はしておきたいとか。いろんな役がやれるようになりたいなと。負けないようにするにはそれかな、と。」

——この先直近での出演予定は？

「12月にダンスをやります。Afterimage堀江さんの振付で、ダンサーさん二人の中に私が入るという。セリフはあるみたいだけど、踊りは（他の二人と）一緒の踊りをするのでその中で言葉を発していくような形にもなるということで。まだ稽古中なので未知ですけど。」

——未奈美さんはダンスもすごくお上手なので、12月も楽しみです。今日はありがとうございました。