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【インタビュー|vol.1】小熊ヒデジさん

  • 林優
  • 2016年10月23日
  • 読了時間: 4分

小熊ヒデジ (俳優)

1985年、《てんぷくプロ》旗揚げに参加。以後、名古屋を拠点として活動。1998年、《KUDAN Project》を始動、海外公演を開始。2008年、地域演劇文化活性化を目的とした《名古屋演劇教室》を発足。2016年、小劇場《ナビロフト》の運営に参加。

 

−−演劇を始めてどれぐらいになりますか?

 30年ぐらいですかね?僕の高校の時の同級生が、自主制作映画を撮っていて、それの手伝いに行ったんです。そのときに出てた俳優さんたちが、名古屋の小劇場の俳優さんだったんです。

当時はまだ名古屋の小劇場は七ツ寺共同スタジオしかなくって、TPO師★団っていう、北村想さんの団体がそこにあったので、その人たちに出会って興味を持ったんですね。画家をやってる人がいたり、大人もいたし、学生も居たんですよ。いろんな人がいて、こんな場所でやるの!?って感じで。

狭い舞台に、時には男性がふんどし一丁で、時には若い女性が、シミーズ(現代で言う、ロング丈のキャミソール)着てわーわー言ってるんですよね。それが初めて観たお芝居で。そういうのがすごくカルチャーショックでね。それに惹かれるものもあって。もちろん続けてきたのは、そのせいだけじゃないけど、それがきっかけで、いろんな人との出会いが重なって、結果30年近く続けることになりましたね。

理想を体現できる役者と出会う

−−俳優として舞台に立つ上で大事にしていることは?

 まず、やっぱり稽古場での作業は大切かな。そこからスタートというか。自分の目指す役者というか、自分の出来ないことや、自分の理想を体現できる役者さんがいるとして。一番きっかけとしてわかりやすいのは、そういった俳優と出会うことだと思う。その人と共演するとモロに影響を受けるじゃないですか。そういう人と絡み(同じシーンに出演する)があると、ああそっか!って言葉で気付けないことがわかるようになるというか。

−−たしかにわかりやすいですね。

 もう一個僕の経験で話すと、僕が所属しているてんぷくプロは劇作家、演出家ってのはいなくて、基本的に俳優の団体なんですね。で、2作目のときに共同で脚本書こうよってなって。僕も当然台本書いたんです。初めての経験で。そのときに、自分で台詞を書いて、それを他の人がしゃべることもあるし、自分でしゃべることもあって。普段は与えられる側だったから不思議で。それが大きな転機になった気がするんですね。

−−転機ですか?

 こういうつもりで書いたんだよって言うのがあるじゃないですか。それでやってみると「あ、これだとダメなんだ」ってなって。で、それまでは与えられた台詞を、作家がどんなつもりで書いたのかっていう所を考えられる俳優にまで到達してなかったんだなって思いましたね。この会話があって、こういう関係性があって、こういう環境で、こういう感情のやりとりがあるんだって、そのつもりで台本を書いているわけだから。で、そのどんなつもりかを把握した上で、フィードバックしたうえで稽古をするっていうのはとても良い経験でしたね。

11年ぶりの再演

−−『くだんの件』は再演ですよね?

 再演ですね。もう何回も何年も。初演が1995年ですので。しばらくやってないんですよね。横浜でやったのが最後で、11年前ですね。久しぶりに再演をしようと。

−−20年前に生まれた作品を20年経ってからまたやるというのはすごいですよね。

 俳優として僕らが、一緒にやってる寺十吾君(ジツナシサトル:tsumazuuki no ishi)と僕がそれぞれ俳優として新しく経験してきた10年があるから、前の作品の手触りというか感触はその分、昔よりは変わってきてると思うんだけど。おそらくその分深い豊かな感覚、作品に付加されるものが増えてると思うんですね。

−−なるほど。

 この間、久しぶりなんで、ちょっと寺十君と読み合わせしてみたんですよ。大丈夫かなぁって。そしたら、予想に反して良い感触を得ることが出来てびっくりしたんですよね。前やった時の「くだんの件」のあの感触に届くのかなぁ、越えられるのかなぁって思ってたんですけど。あの頃と、ちょっと違ったルートを通って、前よりも良いポジションに居ることができてるんじゃないかなって思えたんですね。コレは行けるかなって思いましたね。

−−これは今から本当に楽しみですね。

 面白い作品にはなると思います。それは天野天街の作品の強度と普遍性がしっかりあるということ。演出も面白いし。僕と寺十君が、同じ劇団ではなく別々のところで培ってきた経験。さらには驚異的なスタッフワーク。実は裏にスタッフが11人いて俳優よりも多くの仕事してるんですよね。だから「あれは2人芝居じゃないんです。13人芝居なんです」って言ったことあります。

−−是非観にいって体感したいと思います。本日はどうもありがとうございました。

KUDAN PROJECT『くだんの件』

11月5日・6日

三重県文化会館小ホールにて

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インタビュー:林優(劇団わに社)/スチール撮影:真都山みどり(エムエム研究室)/動画撮影:山内崇裕/撮影協力:Bar本郷家さん

 
 
 

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